第4章 アネモネ *尾浜勘右衛門*
「すみません、先輩方お待たせしまして…」
「い、いや…」
「おほ~…」
4年生は所謂アイドル学年と言われていたため、比較的容姿のいい方だとは思って居たが、彼女の化粧術とタカ丸さんの髪結いを施された4年生達はかなりレベルの高いものになっていた。
そして彼女は・・・
「あれ?和歌菜は…男装?」
『はい、皆さんに合わせて男装をしろと学園長に言われまして』
「アハハ、なんかその話し方懐かしいな。」
『オレもこの話し方久々で。じゃあ行きましょう。』
と、みんなで外出届を小松田さんに渡して外に出ようとした。
すると、女子の装いに慣れてない守一郎が早々にもたもたし始めた。
「ん~…」
『守一郎、どした?』
「いや…女の着物って歩きにくいんだな…って」
『こらこら、そんなガニ股しない!もっと脚閉じて…あぁ、もう裾はだけちゃってるよ。ほら、手』
と、気崩れた守一郎の着物を直しながら彼に手を差し伸べて一緒に歩き始めた。その姿に、女装をしている喜八郎と兵助は守一郎をすごい勢いで睨んでいた。それに気づいた和歌菜は・・・
『喜八郎に兵助さん…』
と、睨んでいる2人の前に立って・・・
ニコッと満面の笑みを見せた。
『今は可愛い女の子なんですから、笑顔ですよ』
そんな笑顔を見た2人はさすがに顔を真っ赤にしてしまい着物の袖で顔を隠してしまった。
まぁ、そんなこんながありそれぞれで分かれて町の調査に出かけた。