第3章 ミニバラ *七松小平太*
『うわぁ!』
「うわッ!なんだ…?」
大きな音と共に大きな揺れが起こり彼女は善法寺に支えられた
2人は大きな音の方を見ると、黒い煙が上がっているのが見えた。あそこは、食満率いるチームが潜入していたはずの農具小屋だった。
「あそこは…!」
『三木達…大丈夫でしょうか』
「分からない、行ってみよう!!」
と、彼女のを支えたまま屋根から降りようとした。
・・・が、ここはさすがに不運大魔王と呼ばれる男
足をかけていた瓦が運悪く剥がれ落ちてしまい足を取られ2人揃って天守閣から落下していった。
『へっ…⁉いやぁあああああ!!』
「しまった!!和歌菜ちゃん!!ガッ…!?」
と、落ちそうになる彼女に善法寺は手を伸ばすが不運が重なり剥がれた瓦の上にある瓦がさらに落下してきて善法寺の頭を直撃してしまった。
彼女は、持っていた鍵縄を懐から出して近くの屋根に投げようとした瞬間・・・フワッと身体が浮いて気が付いたら近くの屋根の上にいた。
『うぅ…ん?え、小平太さん!?』
「和歌菜大丈夫か?」
『は…はい!あの、伊作さんは…』
「あそこで、尾浜と久々知が助けている。」
『あ…気絶してらっしゃる…。あ、あと三木達は!?大丈夫なんですか?』
「分からん、今文次郎達が救出に行っている。私達も…ッ!?和歌菜!!しっかり捕まってろ!!」
と、七松が急に真面目な顔になると彼女をお姫様抱っこの状態で彼女を抱えながら身を小さくした。すると今度はパンパン!という小さな音が聞こえ、すぐにキンキン!という乾いた音が聞こえてきた。
そしてすぐに身体がぐらりと揺れたと思ったら、落ちる感覚に襲われたが彼女は目を閉じて七松の肩に手を回していたため何が起こっているか分からなかった。