第3章 ミニバラ *七松小平太*
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「和歌菜ちゃん、最近七松先輩と一緒に鍛錬行くこと多いね。」
『うん、でもそのおかげか体力とか忍術を学べてかなり充実してるのも確かなんですよね』
「和歌菜!!今日も鍛錬行くぞ!!」
部屋でタカ丸と話していると・・・今日も来た。
それも、もう夕食も終わり日も沈み切っている時間帯だった。
七松は今日は6年生の実習があったため帰りが遅くなってしまったそうだ。
『小平太さん…もう夜ですよ?明日にしましょうよ』
「細かいことは気にするな!行くぞ!!」
と、また彼女の腕を引きずって外へ出て行った。
今日はなんとも開けた原っぱだった。
『ぜぇ…ぜぇ…。今日は…なんですか?』
「今日は、実戦だ!」
『…ッ!分かりました!』
ここ数日、鍛錬とはいえ訓練ばかりで実戦をしてこなかった彼女は実戦と聞いて燃えてしまっていた。だがそのあたりかなり忍術学園色に染まり始めてしまっていると、心の中では思っている彼女だが苦無を構えている七松を相手取るためには、もう自分も武器を構えるしかないと思って居た。
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『うぅ…なぜ…』
「ナハハ!!今日も私の勝ちだな!!」
『ん~…今日の命令は何ですか?』
と、彼女はついに先に命令を聞くようになっていた。
七松がする命令は、本当に些細なことばかりで一緒に夕食を食べるや休日の買い物に付き合うなど簡単なことばかりだった。
だから、今日も同じような命令だろうな…と安心していた。
「和歌菜、ほら!」
と、七松は地面に倒れている彼女を起こしふと上を見上げた。
もう夜になっている上に開けた原っぱだったため満天の星が目の前にあるようだった。
『わぁ…綺麗…。』
「…和歌菜」
『はい?』
星空を見上げていた彼女は、七松に呼ばれたため顔を上げながら七松を見た。
すると、七松はいつもでは考えられないくらい真面目な顔をしていて彼女は小さく『小平太さん…?』とつぶやくと七松はゆっくりと彼女に近づきそっと肩を引き寄せて、彼女の口にキスをした。