第3章 ミニバラ *七松小平太*
『ま…参りました…。』
「ナッハハ!!私の勝ちだな!」
『あぁ~…やっぱり無理か…』
「私に勝つなんて10年早いぞ!!・・・。」
と最初は大笑いをしていたが、突然七松は無の顔になった。
それも彼女の上に跨って座ったまま・・・と、何かを思いついたように・・・
『…あの、小平太さん?』
「・・・!」
『あの…』
「なぁ和歌菜、今度から私と鍛錬で勝負する時負けた方は勝った方の言うこと聞くというのはどうだ?」
と、七松の突然の提案に彼女は頭にクエスチョンマークが現れた。七松が言うに、彼女との鍛錬は互いの鍛錬になる上に賭け事をした方が面白いだろう!ということだった。
『でも…今のあたしは小平太さんには…』
「和歌菜が勝ったら、町の甘味処のスペシャル抹茶パフェを奢るのもありだぞ。」
『えっ…抹茶パフェ…?』
と、明らかに彼女の顔が明るくなったのが分かった。
彼女は過去の暗殺をしていた時に好みやら何やらを暴露されているため七松は彼女の好きなものを把握していたため楽車の術をかけるのは容易かった。
『はぁ~…!あたし絶対勝ちますからね!!』
「よし、なら今日は私が勝ったから私の言うことを聞いてくれ!!」
『分かりました!何をすればいいですか?』
「…和歌菜、お前が好きだ!」
『…ん?』
彼女に跨ったまま七松は大声で彼女への愛を叫んだ。
彼女は一瞬何を言われたのか分からなくて困惑したが七松はニカッと笑ってさらにつづけた。
「今日の私からのお願いは、私が和歌菜を好きだという気持ちを知ってもらうことだ!私は和歌菜が好きだ!」
『ふぇ…いや、あの…』
「じゃあ、私は行くからな!」
『えっ!?ちょ…小平太さん!?』
と、七松はそれだけ言ってそそくさと帰っていった。
彼女は何も言えずに取り残されてしまっていてただ茫然としていた。