第3章 ミニバラ *七松小平太*
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次の日・・・「和歌菜!!いるか!?」
と、七松はさっそく彼女のいるであろう4年生の忍たま長屋にやってきた。
「なっ、七松先輩!?どうなさったんですか?」
「よぉ滝夜叉丸!!和歌菜はいるか?」
「和歌菜ですか…?今日は授業がないからと、朝食が終わった後にどこかへ行きましたよ。」
「そうか、じゃあもう裏裏山に…。分かった!ありがとな!!!」
と、七松はピョン!と屋根の上に飛び乗りそのままダッシュで裏裏山に向かって走り抜けていく。が、裏裏山にたどり着いても彼女の姿が見えなかった。
「おっかしいな~。どこにいるんだ?」
と、周りをキョロキョロ見ていると七松は森のさらに奥の方から人の気配を感じた。その気配に気づいた七松は、気配のする方へを音を立てずに走っていく。すると、森の木の奥の少し開けた場所に竹林が広がっていた。
「おっ!いたい…た」
茂みから覗いてみると、確かに彼女はそこにいたが
七松が見たのは、彼女が得意な扇を開いた状態でゆっくりとした動きの舞を踊っていた。身体の動きがとても滑らかで、でもどこか凛々しく美しく・・・
『誰ですか?』
と、突然動きを止めた彼女が七松の方を見てにらみを利かせた。七松は普段はそんなことはないのに彼女に見とれてしまっていたせいで気配を隠すことを忘れてしまっていた。
「あ、アハハ!悪い悪い!!見つかるなんてな!!!」
『小平太さん!?どうなさったんですか?』
「いやーちょっと鍛錬をな!和歌菜も鍛錬か?」
『はい、精神統一と筋肉を柔らかくするものです。』
「精神統一?筋肉…?」
あまりピンと来ていない七松に彼女は得意武器の扇をパチンッと閉じて話し始めた。