第2章 ブッドレア *浜守一郎*
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「久々知先輩に借りた本…火薬についていろいろ載っているな!分からないことがあったら三木ヱ門に聞いて…」
と、意気揚々と部屋に戻ってくると
喜八郎と滝夜叉丸の部屋から声が聞こえてきた。
確か今日は滝夜叉丸は体育委員の指令で留守だった気が・・・
部屋を覗いてみると、中で喜八郎と和歌菜がいた。
『ちょっと!寝ながら食べるな!』
「いいじゃん、和歌菜が食べさせてくれれば。ほい、あ…ーん」
『もぉ…』
なんて言いながら、喜八郎が和歌菜の膝の上で寝ながらお菓子を食べていた。その姿が、とても楽しそうで・・・
ズキ…
また心臓が痛くなったのに、アハハ!と笑っている彼女を見ると、なんだか嬉しくなってきた。不思議な感じがしたけど、俺ではその感じの意味が分からなかった。
俺は、そのまま部屋に戻った。
そこには変わらず三木ヱ門が火器の本を読んでいたがさっきとは少し景色が違った。
「あれ?その花は…?」
「あぁコレか?滝夜叉丸が勝手に持ってきて勝手に置いて行った花だ!置いていったらさっさと体育委員会の仕事に行きやがって!!だが、薄気味悪いが、花に罪はないからな。」
と、部屋の真ん中にいろんな種類の花が数本おかれていた。
俺はそれを1本手に取りすぐに部屋を出て行った。
そして再び喜八郎達の部屋にやってきて、襖をスパン!!と開けた。