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陰陽の結び 《忍たま乱太郎》

第9章 オミナエシ *竹谷八左ヱ門*



「じゃあ次は…伊賀崎先輩!!ちょっとジュンコを連れてきてください!」

「ん?あぁ、いいぞ。ジュンコ、改めてご挨拶だ!」


と、虎若が生物小屋で先にエサやりをしていた孫平に頼んで毒蛇のジュンコを連れて彼女の元へとやってきた。
孫平の言葉に反応し、懐に入っていたジュンコは孫平の腕をつたって彼女の前に出た。

最初こそびっくりしていた彼女だったが、手の甲を上にしてジュンコに腕を差し出すとジュンコは鼻先で彼女の匂いを嗅いだ後そのままスルスルと彼女の腕に上っていく。


『ふぉお!蛇ってこんな肌触りなんだな!可愛いな、君!』

「先輩!すごいですね!!ジュンコとこんなに早く打ち解けるなんて!!じゃあ、こっちの毒トカゲの大山兄弟も…!」


と、気をよくした孫平は見えないほどのスピードで毒虫小屋から毒トカゲの大山兄弟を連れてきた。それをみても、彼女は『可愛いな!』と言って、さすがに撫ではしなかったが開口一番にそう言った。


「じゃあ、毒ガエルのきみ太郎は…?」

『ひぃ!?』


と、彼女はさっきまでと打って変わって毒ガエルのを見た瞬間に飛び退いてそばにいた三治郎の後ろに隠れてしまった。
ほらみろ…そう言おうと口を開きかけたが、それよりも先に彼女が『ごめん!!』と声を上げた。


「えっ…先輩?」

『オレ…カエルだけは、ダメなんだ…!!』

「どうしてですか?」

『…それが、家の近くに小川があったんだが…そこにカエルがいて…触ろうとしたら、顔に…顔にペタって!!それ以来見るのも嫌なんだ!!』


あぁああああ!!と頭を抱えて項垂れている彼女に、全員ポカンとしていた。特に俺は、こいつが暗殺者だと知っているからこいつがこんなに怯えて怖がって喚いている姿が・・・なぜかおかしくて・・・


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