第2章 ブッドレア *浜守一郎*
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「…って感じだな、俺は」
「へぇ~。」
「守一郎さんは、和歌菜先輩の事はそんなに嫌いにならなかったんですね。」
そんな俺は今、用具倉庫で備品磨きをしながら同じ用具委員の1年生のしんべヱと喜三太と共に思い出話をしていた。
「そうだな、暗殺者っていう実感がなかったこともあるし…あいつはあいつだからな!!」
「じゃあ、今はどうなんですか?」
と、しんべヱに言うが後ろで話を聞いていた富松作兵衛話に入ってきた。今は?と聞くと富松はすこしニヤリとした顔で問いかけてきた。
「だって、あんな近くに女の人がいるのなら好意を持ったりしないんですか?」
「好意…そう言うのは分からないな。曾じいちゃんから教わらなかったからな!」
「そうじゃなくてですね!!…はぁ」
と言って、作兵衛はため息をついて倉庫の奥に言ってしまった。俺だけじゃなくてしんべヱと喜三太もキョトンとしている。
「富松作兵衛先輩、今のどういう意味だったのかな…」
「さぁ。」
「よく分かんないな。食満先輩は分かりますか?」
と、用具の管理簿を見ていた食満留三郎先輩にも聞いてみた。
が、食満先輩はなぜか肩をビクッと揺らしていた。
「あ、さぁ俺も分からんな。3年生の言うことは…ハハハ!」
なんて言っていた。
好意・・・行為・・・コウイ?
・・・よく分からんから、三木ヱ門に聞いてみよう。