第7章 コチョウラン *全校生徒+α*
『何?伏木蔵君…』
「その尊兄さん…いや、諸泉さんから手紙を預かってます。」
『あ、これあたしが好きな花だ!尊兄覚えててくれたんだ!!』
と、あからさまに嬉しそうな顔をしたため上級生達や雑渡は逆にあからさまに嫌そうな顔をした。雑渡は手紙を読もうとした彼女を咳払いで静止し、代わりに彼女に手紙を渡した。
「和歌菜、これは私から。あとこれが山本、これが陣左、こっちが押都からだ。」
と、雑渡は懐から数枚の手紙を彼女に渡した。
彼女は手紙を嬉しそうに受け取ったが・・・4年生達は1つ疑問を持った。
「あの~…1ついいでしょうか」
「おや斎藤タカ丸君。陣左がいなくてよかったね。あと4年生諸君和歌菜の肩に手を置くのはやめてくれないかい不愉快だ。」
「和歌菜は、死んだことになってるんですよね?なんでタソガレドキ忍軍は彼女に誕生日の手紙をあげてるのかな~って」
「あぁ、城に内緒にしてるだけで忍軍はみんな彼女が生きてることは知ってるよ、大事な娘だからね。あと浜守一郎君、和歌菜の前に立たないでくれ着物姿が見えないではないか。」
「それは、いち城に仕えている忍軍としてありなんですか?」
「仕事に支障がない程度に隠しているに決まっているだろう。あと、綾部喜八郎和歌菜に抱き着くのはやめてくれないか腹がた…」
『あんたいちいち小言がうるさい!!クソじじぃ!!!』
と、説明する中でいちいち彼女の周りにいる4年生達に文句を言ってくる雑渡にキレた彼女が大きな声で叫んだ。
そして、雑渡にキレたのは彼女だけではなかった。
「おい曲者…!!さっきから聞いてりゃ胸糞悪ぃ事ばっか言いやがって!!俺と勝負しやがれ!!」
「何を言う!!曲者!!俺と戦え!!」
と、潮江と食満がいつ持って来たのか袋槍と鉄双切棍を構えて雑渡ににらみを利かせていた。ついでに七松もいつの間にか苦無を持っていて・・・「私も戦うぞーー!!」といけいけどんどんモードになっていた。