第7章 コチョウラン *全校生徒+α*
彼女は、6年生からもらった着物を着て5年生からもらった帯紐を飾り、4年生達からもらった化粧道具で化粧を施し直して戻ってきたのだ。
『…皆さんからもらったものの集大成です!!どうでしょうか!』
満面の笑みで、着物の袖を持って会議室にいるみんなに開いて見せた。全員が、そんな彼女に見惚れる中・・・
「とても綺麗だよ。」
と、誰かがそうつぶやいたが・・・
それはここにいる生徒の誰のものでもない声だった。
「…何者だ!!」
と、6年生が気配に気が付いて七松が気配のある所へ苦無を投げた。気配がしたのは会議室の屋根裏。その何かは苦無が当たる前に会議室の床に降り立った。
「曲者だよ」
「テメエ!!雑渡昆奈門!!何しにきやがった!!!」
と、さも当然のように現れた雑渡昆奈門に6年の食満や潮江は武器を構えるが、それをなんとも思わない保健委員会委員長の善法寺と伏木蔵は普通に雑渡に近づいた。
「どうしたんですか?」
「アレ…タソガレドキ忍軍今日は遠出の任務だって…」
「…そうなのか?」
「諸泉さんが言ってました。」
「あぁ、また陣左に謀われたのだな。そんなものはない。」
「えっ…なんでまた…」
と、保健委員会達が雑渡と話していると彼女が会議室に入ってきて雑渡の前に来た。
『雑渡さん…今度は何ですか?』
「なんだとはなんだ、大事な愛娘の誕生日を祝いにきて何が悪いんだ」
と、雑渡がとんでもない爆弾発言をしたことにより会議室は一気に騒然とした。彼女がもともとタソガレドキ城の暗殺者だった事は全員が周知していたことだったが・・・愛娘と呼ばれる間柄だったということは初耳だった。