第7章 コチョウラン *全校生徒+α*
『…これ』
「お守り、絶対持ってて。」
と、彼女を後ろからギュッと抱きしめながら渡した箱をじっと見る。彼女が箱を開けると中には小さな刀・・・短刀が入っていた。彼女は、武器をもらったというのになぜかそれがおかしくてふふふ…と笑った。
『お前さ、誕生日の人間に武器渡すかよ…』
「だってみんな女らしいものばっかりだもん。みんなと違うものをあげたかったんだもん。」
『よく買えたね、こんなの』
「…この前の合戦で拾ったんだけどね」
『わぁ~…聞きたくなかった。』
と、すっかり2人の世界に入りかけてしまった時・・・
「行け…」と小さな声が聞こえた。すると、その言葉が合図だったように「和歌菜先輩~!!」と1年のしんべヱと喜三太が彼女に駆け寄ってきた。
「先輩~僕もうお腹すきました!!」
「みんなでご飯食べましょうよ~!!」
と、しんべヱと喜三太がニコニコしながらそんなことを言うものだから彼女はすっかり2人の愛らしさに負けて『そうだね、みんなで食べよう』と、喜八郎から離れて下級生達の方へと行ってしまった。
喜八郎はそんな彼女を見ながら、自身の委員会の先輩を睨んだ。先輩の方はニヤニヤとしながら勝ち誇った顔をしている。