第7章 コチョウラン *全校生徒+α*
前のめりで三木ヱ門は彼女に小さな小箱を手渡した。
彼女は三木ヱ門の圧に押されながら箱を開けてみた。中には・・・黒地に可愛い花柄の入れ物だった。
『わぁ…!可愛い!!』
「そうだろう!中を見てみろ!」
花柄の入れ物を開けていると、中には桃色の紅が入っていた。
『えっ?わぁ…綺麗な桃色』
「お前の白い肌に合うと思ってな!」
どや顔をする三木ヱ門だったが、今度は・・・
「次は俺だ!!」と、三木ヱ門を踏み越えるように守一郎が割って入ってきた。
「俺からはコレだ!!」
と、守一郎が出してきたのは三木ヱ門と同じ入れ物に入った化粧道具だった。彼女は守一郎にありがとうと笑いかけ蓋を開けてみる。中には白粉が入っていたが少し色のついた綺麗なものだった。
『おぉ、これ今流行りの奴じゃん!よく見つけたね守一郎!!』
「三木ヱ門と一緒に化粧道具を買いに行ったとき見つけたんだ!」
『ありがとう!』
「はい、次は俺だよ」
と、タカ丸が取り出したのは髪結い用の櫛だった。
しかもかなり物のいい櫛のようでタカ丸が贔屓にしている櫛やから特注してもらったもののようだ。
「これ、漆塗りだから飾りとしても使えるよ。もちろん髪を梳かすのにも最適だから!」
『ありがとうございます!!』
タカ丸からもらった櫛を手にして眺めていると、今度は背中がズシッと重くなった。もれはもちろん・・・こいつが乗ってるから。
「最後は僕からだよ」
喜八郎からは細長い箱に入ったものを渡された。
その瞬間、上級生達の顔つきが変わった。