第7章 コチョウラン *全校生徒+α*
「そして、この着物にさっきの5年生からの帯紐を合わせると・・・ほら、互いによく映えるより美しい着こなしになるだろう?」
と、立花が着物の上に5年生からもらった帯紐を置き話し始める。良し悪しのの分かる彼女は目をキラキラさせながら立花の話を聞くが、帯紐を買った5年生はふくざつだった。
「待って…あの帯紐って確か…」
「勘右衛門、雷蔵…。驚くな?あの時話しかけてきた女の人達、あれは女装をした立花先輩と伊作先輩だ」
と、5年生内で耳打ちをしたが彼女からは思いがけない言葉が飛んできた。
『すっご~い、5年生と6年生の先輩達がこんな組み合わせでプレゼントをくれるなんて…!すっごく嬉しいです!!ありがとうございます!!特別な日には必ず着ますね!!』
といい、帯紐と着物をギュッと握った。
5年生達は、彼女のそんな嬉しそうな顔に何も言えなくなり、彼女の声に答えるようにうん…とうなずいた。
「そして、最後は…」
「ふふふ、やっと出番のようですね!!さぁ和歌菜!!優秀なこの私からのプレゼント…しかと受け取るがよい!!!」
と、4年生のターンになり最初は滝夜叉丸が彼女に小包を手渡した。彼女は少し不穏な空気を感じながらその箱を開けてみた。
すると、彼女にとってはとても驚くもので・・・
そこには朱色で塗られ塗装までされた美しい手鏡だった。
『滝夜叉丸…これ』
「わ、私のお気に入りの鏡やでな!ちょっと急用があって店をのぞいてみたのだがその手鏡があまりに美しかったものだから手に取ったのさ!しかし、その鏡の美しさも私の前ではかすんでしまった。そこで、普段鏡など皆そうなお前にやると言っているのだ!!」
と、いつものグダグダ言いながら滝夜叉丸は彼女の後ろに立った。
『ちょ…お前、それじゃあたしがまるで…』
「次は私だ!!」
と、滝夜叉丸の話を止めて次に出てきたのは田村三木ヱ門だった。