第2章 ブッドレア *浜守一郎*
「食満先輩と立花先輩と喜八郎の会話を聞くまでは、俺は女だと一切気が付かなかった!!すげえな忍術学園!!こんな本格的な女装の訓練も行っているのか!!!」
学園に戻って喜八郎にこっそりと彼女の事を聞いてみたが、俺は彼女の事を心底すげえと思った。でも、暗殺者である以上もう、いつも通り接することはできないのかな・・・なんて思って居たが、喜八郎に
「…まぁ、暗殺者とはいってもこっちに危害は加えないみたいだし。普段通りにしていればいいんだと思うよ」
なんていうから、俺はまた安心した。
暗殺者でも彼女は彼女なのだと。安心して笑っていると、喜八郎から変な質問をされた
「…ねぇ、守一郎は若月の事どう思ってる?」
「ん?俺は若月の事大好きだぞ!同級生として!!」
と、俺は正直に答えると喜八郎はなぜかため息をついた。
そしてすぐにまた穴掘りを始めてしまったから俺はその場から立ち去った。
***
その後も、いつもと変わらず2人で鍛錬したりみんなで出かけたりしていたが、暗殺をしているようにはとても思えなかった。多分俺の知らないところで行っているのかな…とも思ったが、それ以上聞くことはできなかった
そして彼女が怪我をして帰ってきた日の夜
俺は何か不穏な気配を感じて三木ヱ門を置いて彼女の部屋へと向かった。そこで、タカ丸さんが彼女を抱きしめながら背中をさすっていた。
「…お願い、俺達に本当の事を話してくれないかい?」
『…グス、なんで…あたし、なんて…』
本当の事・・・ということは、彼女の正体の事だなと思い俺も彼女の口から本当の事が知りたかったから
「…俺も聞きたい、お前の事。教えてくれないか?」
といった。それを聞いたせいなのか彼女はまた涙が溢れそのまま崩れるように蹲ってしまった。
タカ丸に背中を撫でられながら肩を震わせている彼女の肩に俺も手を置いた。
そしてそこで彼女の口からすべてを聞くことができた。