第7章 コチョウラン *全校生徒+α*
「あ、えっと…2年と3年の先輩方…」
「皆さんは、ここで何を…」
「お前達と一緒だよ、和歌菜先輩へのプレゼントを買いに来た。お前達も同じみたいだな。」
と、2年3年を代表して富松作兵衛が1年生達に全員で買ったものを見せた。1年生達が先輩達の買ったものをじっと見ていると1年い組の一平がニコニコしながら、自分と同じ委員会の先輩である伊賀崎孫平の元へと歩み寄った。
「…伊賀崎先輩、和歌菜先輩喜んでくれますかね?」
「…あぁ、和歌菜先輩ならきっとな!」
「明日、みんなでお祝いできますかね?」
「あぁ!みんな…で。あぁ!!!」
と、一平の頭を撫でながら伊賀崎が言葉を綴っていったがその時ふと大切なことを思い出した。その伊賀崎の表情と言葉から3年生はすぐに何を言いたいのか理解したようでみんな口を揃えて「あぁーー!!!」といった。
「ど…どうしたんですか先輩方…。」
「まずい…プレゼントの事ばっかり考えてて…祝い席の準備のこと考えてねえ!!!」
「「…あぁーー!!!」」
1年と2年もようやく気付いたようで町民が行きかう中で全員があたふたし始めた。とにかく、学園に戻ろうと下級生達は走り出した。
「待て!お前達!!」
「…あ!」
「七松小平太先輩!!」「潮江文次郎先輩!!」「中在家長次先輩!!」
と、声のする方を見ると6年の先輩達が大きな荷物を抱えていた。手の空いている下級生達は6年の3人に近づいて抱えている荷物の一部を受け取った。