第1章 デビュー!!
私に逢いに来てくれる時間があるなら、少しでも休んでほしい。
同じ世界にいれば、もっと逢えるかもと思ったけど、お互い忙しくて前より逢える時間が少なくなったし、相手の大変さがわかる分、私の我儘で困らせたくなかった。
無理してほしくないけど………やっぱり逢いたい……
Ruuna「はぁ〜」
何回目かわからない溜息をつくと、携帯を鞄に戻した。
吉岡「Ruuna、ちょっといいかい?」
吉岡さんがニコニコしながら楽屋に入ってきた。
Ruuna「吉岡さん、なんですか?」
吉岡「Ruunaに仕事の依頼が来ているんだよ」
Ruuna「仕事の依頼?私だけですか?」
吉岡「あぁ。雑誌の撮影なんだが、あるアーティストの相手役をして欲しいそうだ。」
Ruuna「相手役ですか……で、そのアーティストって?」
吉岡「Ruunaもよく知っているアーティストだよ。1週間後が撮影だから、よろしくな」
Ruuna「わかりました」
結局吉岡さんは、相手が誰なのか教えてくれなかった。
私もせっかく来た仕事だから、まっいっかなんて軽く考えてた。
この撮影が、吉岡さんからの頑張っている私へのご褒美だど気づくはずもなく………