第1章 デビュー!!
上京した私達は、次の日からデビューに向けて忙しい日々を過ごした。
プロデューサーへの挨拶、プロモーション、レコーディング、MV撮影………
たった数週間で目が回りそうになるのに、宏光は何年もやっている。
改めて、宏光の……アーティストの凄さを実感した。
その宏光もドラマ、バラエティ番組、レギュラー番組などの収録に加え、ラジオ番組にレコーディング、雑誌のインタビュー………
個人としてもグループとしても、忙しい日々のようだ。
お互いがそんな感じなので、当然の様に逢える時間が取れるはずもなく、電話やメールも中々できなかった。
Ruuna「今日で1週間………」
休憩時間、携帯の待受画面の宏光を見ながらポツリと呟いた。
Yu-ki「何が?」
同じく休憩していたYu-kiが、不思議そうに聞いてきた。
Ruuna「宏光の声を聞いていない日………今日で1週間なんだよねぇ……」
Yu-ki「えっ?でも昨日、キスマイ歌番組出てたじゃん。宏光さん喋ってたし……」
Ruuna「それはKis-My-Ft2の北山宏光でしょ。私が言ってるのは、彼氏の宏光の声を聞いてないってこと」
Yu-ki「う〜ん、俺には違いが解かんないわ(汗)」
Itsuki「それって、キスマイの宏光さんは皆んなの物だけど、彼氏の宏光さんはRuunaだけの物だから、Ruunaとしては、独り占めしてない日が1週間って事だろ?」
休憩をしにきたItsukiが話に加わってきた。
Ruuna「Itsukiせーかい!!」
Yu-ki「それこそ彼女なんだから、電話すれば独り占めできるじゃん」
Ruuna「まぁーそうなんだけど……宏光忙しそうだからさぁ……」
Itsuki「宏光さんだけじゃなくて、キスマイさん皆んな忙しそうだもんなぁ……」
Yu-ki「電話ほしいってメッセージ送れば、宏光さんなら電話くれると思うけどなぁ……」
確かに電話ほしいって言えば、電話してくれるだろう。
そのうえ宏光なら、電話だけじゃなく時間を作って逢いに来てくれるかもしれない。
それはそれで嬉しい………けど……