第1章 デビュー!!
隣で大きな溜息をつく宏光。
それが合図となり、とうとう私の頬にひと雫の涙が溢れた。
宏光「Ruuna……ごめん……それから心配してくれてありがとう」
そう言うと宏光は溢れた涙を指で拭い、私をそっと抱きしめてくれた。
宏光「俺の方がRuunaやメンバーに心配かけて………プロ失格だな」
Ruuna「そんなこと………」
宏光「大事な舞台が始まるっていうのに体調崩すとか、自分で体調管理出来ていないってことだからさ」
Ruuna「宏光……」
私はそっと宏光の頬に触れた。
それから自分のおでこを宏光のおでこにくっつけた。
Ruuna「熱いね。少し熱があるんじゃない?今は体調を治す事だけ考えて。私2,3日はこっちにいるから」
宏光「ありがとう」
そう言うと宏光は、ベッドに横になった。
宏光「せっかくRuunaが来てくれたけど、ちょっと横になるわ」
Ruuna「うん。私の事は気にしないで、ゆっくり休んで」
宏光「Ruuna?」
Ruuna「ん?」
宏光「ううん。おやすみ」
Ruuna「うん。おやすみ」
私はそっと宏光の手を握った。
安心したのか宏光は、直ぐに規則正しい寝息をたてた。
次の日の朝
ドアをノックする音で目が覚めた。
どうやら、いつの間にか眠っていたみたい。
扉を開けると、心配そうな顔のマネージャーさんがいた。
Ruuna「おはようございます」
マネージャー「おはようございます。みつの様子はどう?」
Ruuna「昨夜は少し熱があったんですけど、今は下がったみたいです。まだ眠ってます」
マネージャー「そうですか………」