第1章 デビュー！！

宏光「で、どうしてRuunaがここにいるの？」


私は宏光が怒っているような気がして、顔をあげられなかった。


Ruuna「太輔さんから電話があって、宏光が体調崩してるから無理しない様に見てて欲しいって言われて………」
宏光「藤ヶ谷か……Ruunaには言わない様にって言ったのに………」
Ruuna「他のメンバーさん達も、みんな心配してるって……」
宏光「………知ってる。さっきもニカからメッセージがきた。ふぅ……ところでさぁ、ここに来たってことは、今日オフだったのか？」
Ruuna「………えっ？………えーと………」



本当の事を言おうかどうか迷った。
今私がアルバム制作をしている事………宏光は知っている。



宏光「ったく……まだアルバムの製作中なんだろ？」
Ruuna「………うん」
宏光「俺の事聞いて、心配してくれたのはめちゃくちゃ嬉しい。でも、Ruunaがここに来た事で、アルバム制作がストップしているんだろ？今まではメンバーだけで動いてたから融通が聞いたかもしれない。けど今は、メンバー以外にも沢山の人がRuunaの為に動いてくれている。その人達に迷惑をかけてほしくない」
Ruuna「…………」
宏光「Ruunaはやっとデビュー出来て、これからっていう大事な時期なんだから……」
Ruuna「………うん。でも……吉岡さんも………みんなも………行って来いって言ってくれたから………だから………」



私は瞳に溜まる涙が溢れないように、必死に耐えた。