第1章 デビュー!!
私が深刻そうな顔で電話をしていると、吉岡さんがスタジオに入ってきた。
直ぐに私の様子に気づいた吉岡さんは、私に誰と電話をしているのか聞いてきた。
私は太輔さんに少し待つように伝えると、吉岡さんの方を見た。
Ruuna「電話………太輔さんからなんですけど……」
吉岡「藤ヶ谷くんか」
Ruuna「なんか宏光が体調を崩してるみたいで……」
吉岡「そうなのか………Ruuna、ちょっと替わりなさい」
そう言うと、吉岡さんは私の代わりに電話に出た。
吉岡『藤ヶ谷くん、吉岡です。私にも話を聞かせてくれるかい?』
太輔『あ、吉岡さん。実はですね………』
吉岡さんは相槌を打ちながら、太輔さんの話を聞いていた。
吉岡『事情はわかった。藤ヶ谷くん、少し時間をくれるかい?また連絡する』
電話を切った吉岡さんは私に携帯を返すと、レコーディングスタッフの“米さん”こと米川さんに聞いた。
吉岡「米さん、ボーカル録りまであと何日かかる?」
米川「そうですねぇ………あと3日ってとこですかねぇ」
吉岡「3日か………行って帰ってこれるな……みんな、Ruunaをこれから大阪に行かせる」