第1章 デビュー!!
それから数ヶ月たった頃
私達はファーストアルバムのレコーディングをしていた。
このアルバムが出来上がると、私達はデビューして初めてのツアーに出る。
Takuto「Ruuna、歌詞は出来たのか?」
Ruuna「………まだ……」
私はさっきから、白い紙とにらめっこをしていた。
アルバムに収録される曲は全部できているのに、何曲か歌詞ができていないのだ。
Takuto「あんまり無理するなよ。できてる曲からレコーディングすればいいんだから」
Ruuna「うん……」
そうはいっても時間は待ってくれるわけもなく、私は焦るばかりだった。
私はまた紙に目線を移し、歌詞を考えた。
そんな時に私の携帯が鳴った。
ディスプレイを見る。
そこには宏光………ではなく、同じメンバーの太輔さんからだった。
Ruuna『もしもし?』
太輔『もしもし、Ruunaちゃん?太輔です』
Ruuna『太輔さん、お久し振りです。どうして太輔さんが私に?もしかして宏光に何かあったんですか?』
いくら彼氏と同じグループのメンバーだからといって、直接メンバーの彼女に電話するとか、何かないとありえないだろう。
いや……なくはないのかもしれないけど……(汗)
宏光に何かあったと思うのが自然で、私は焦る気持ちで太輔さんの次の言葉を待った。
太輔『実は、みつ……ここ2,3日体調を崩してて、ご飯もろくに食べれないみたいなんだ』
Ruuna『えっ?本当ですか?』
太輔『うん。みつからはRuunaちゃんには言うなって言われてるんだけど、俺達じゃ無理を続けるみつを止めることができないんだ』
Ruuna『………』
太輔『明後日から大阪で舞台が始まるだろ。みつは責任感が人一倍強いから、他の出演者さんやスタッフさん達に迷惑をかけないようにって更に無理をすると思うんだよ』
Ruuna『そうですね………』