第2章 花姫と恋
編み上げブーツの履き方を教わるために、広い玄関先で国広さんと2人でしゃがみこんでいた時、カラリと戸が開いて2人の小柄な子達が入ってきた。
「わっ、びっくりした~。国広さん、どうしたの?」
「も、もしかして、新しく顕現された方…ですか…?」
「乱に五虎退。新しく顕現した、刀剣女士の日和姫だ」
『脇差の日和姫です。どうぞよろしくお願いいたします』
内番服姿の可愛らしい乱さんと五虎退さんに挨拶をすると、2振りの瞳がキラキラと輝いているように見える。
「刀剣女士~♡とってもかわいい~♡僕は乱藤四郎。粟田口派の短刀で、五虎退とは兄弟なんだ」
「ぼ、僕は、五虎退です。虎くん達も、よろしくお願いします」
後からじゃれ付き合いながら玄関に入ってきた小虎たちを見て、あまりの可愛さに満面の笑みになってしまう。
「そっか、それで国広さんが王子様みたいに膝まづいてブーツを履かせてあげてたんだね。何事かと思っちゃった!」
「日和姫さん、お、お姫様のようにとってもお可愛らしいですから…!」
「王子……?そうだ、五虎退。主から命を授かっている。日和姫の世話係を頼みたいそうだ。暫く傍に着いていてやってくれないか?俺より、お前たちの方が何かと頼りになるだろう。着いてきてくれると助かる」
山姥切国広さんから話を聞いた五虎退さんは、コクリと頷いてくださいました。
「わ、わかりました。日和姫さん、どうぞよろしくお願いいたします」
『こちらこそ、沢山ご迷惑をお掛けしてしまうかと思いますが、早く色々覚えて皆様のお役に立てるよう精進いたしますね!』
「僕も手伝うから何でも聞いてね!」
『あ、あの、乱さんはとってもお可愛らしいですが、その……』
「ありがと♡でも僕はちゃんと立派な刀剣男士だよ」
『そ、そうでしたか…お可愛らしいのでつい…すみません』
乱さんももしかしたら刀剣女士なのでは?と勘違いをしてしまったことに謝ると、
可愛らしい笑顔で許してくださったことにほっと息をつく。