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花姫と恋【刀剣乱舞】

第2章 花姫と恋


「日和姫、貴女らしく過ごしてみてください。体のことで困ったことがあれば何でも話してください。お互い唯一の女同士ですしね。私も日和姫と過ごす日々がとても楽しみです。さあ、国広。日和姫に本丸の中を案内してあげて下さいね。可愛い姫のことを、頼みましたよ。」

「…姫?ああ、愛らしい娘のことを人間ははそう呼ぶんだったな……」

『あ、愛らしい…?』

戸惑う私を見て山姥切国広さんは、ふっと柔らかく悪戯げに笑って見せた。
その様子が、私とは全くもって違う練度差を感じさせる。
この山姥切国広さんは、極というそうだ。
先日修行を終えて強くなって帰還したのだと、主様が仰っていた。
前を歩く山姥切国広さんに遅れないように、慌てて着いていこうとしたが、まだ慣れない体が上手く動かずに足がもつれてしまいそうになる。
目の前を歩く彼が振り向いて止まったので、不思議に思って見上げた。

「あんたも短刀達のように歩幅が小さいんだな。脇差でも、兄弟とも違う……ほら」

目の前に出された彼の手をわけも分からず不思議そうに見つめていると、「掴め」と言われたので、その手をとった。
繋いだ手からじんわりとあたたかくて心地よいものを感じる。
これが自分ではない誰かの存在、なのだろう。
そんなことをぼんやりと思いながら、彼と手を繋いで本丸の中を歩いて回った。


「えっ?ちょ、国広、その子誰?!」
「女…の子?」

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