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花姫と恋【刀剣乱舞】

第2章 花姫と恋


気持ちを落ち着ける為にと案内された主様の執務室でお茶というものを頂くことになりました。
主様はとても柔らかい話し方をする方ですが、彼女は常に優雅で凛としているのに、私に与えて下さる眼差しは柔らかい真綿に包まれるような心地でした。
この本丸のこと、在籍する刀剣男士達のこと、歴史を守るという大切なことを分かりやすく説明してくださいました。
それから、この本丸には私しか刀剣女士がいないので着替えの仕方や寝たり?おふろ??も暫くは主様と一緒にする事になりました。
人の身に早く慣れて、主様のために奉公出来るよう頑張ります。

「それからこれはとても大切なことです。国広、一先ずこの本丸の初期刀である貴方も知っておくべきでしょう。日和姫、貴女は全ての刀剣男士たちの夜伽役兼花嫁候補としてのお役目を担っているそうですね」

『はい。長引く戦争を鑑みて全ての刀剣男士に癒しを与える事、それが私が顕現することの意味だと時の政府より仰せつかっております』

「よ、夜伽役兼花嫁候補…⁈」


私の言葉を聞いて山姥切国広さんは驚き、主様は悲しそうに目をお伏せになった後、凛とした表情で此方を見据えました。顕現した時に感じた主様の凛とした霊力が、より一層張り詰めています。


「良いですか、日和姫。人には其々個性というものがあるのです。それは刀剣として顕現したあなたたちにも備わっているものなのです。時の政府の意向によって生まれた刀だとしても、貴女は私の手によって顕現した私の唯一の刀剣女士。大切な我が本丸の一員なのです。この本丸で過ごす日々が、貴女を素晴らしい刀剣女士へと成長させるでしょう。」

『個性……とは何なのでしょうか…難しくてよく理解ができないです…』

「大丈夫ですよ。この本丸には沢山の刀剣たちがいますから、ゆっくりと学んでいくといいでしょう。その為に、先ずは本丸での生活に慣れること。夜伽や花嫁候補の件は秘密にしておいてください。日和姫が幸せに過ごせるようになるのが先決です。…一部の刀剣男士達は花街などでも遊んでいるようですし、私の本丸の刀剣男士達は節度があると理解しているので、問題ないでしょう」

その言葉を聞いて山姥切さんが「…そういう報告も受けてはいる」と小さく咳払いをした。

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