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花姫と恋【刀剣乱舞】

第2章 花姫と恋


あたたかい声に呼ばれた気がして、暗闇の中で目を醒ます。
朧気だが瞬いたように見えた小さな光に気がついた瞬間に、一気に眩しい閃光に包まれた。

気がついた時には、桜吹雪の舞う見知らぬ部屋に立っていたけれど、
目の前に立つ女性から流れてくる心地よい霊力で自信が満たされた心地がして、このお方が私の新しい主様なのだと本能的に感じとった。

『日和姫と申します。こう見えて脇差です。よろしくお願いいたします』

私の名乗りを聞き入れた後、主様と思われる女性は柔らかく微笑まれて、嬉しげに私と目線を合わせてくださった。

「私がこの本丸の審神者です。貴女は初めて実装された唯一の刀剣女士様ですね。ご縁を頂けましたこと、誠に光栄に思います。お力添えをどうぞよろしくお願いいたします。」

丁寧に挨拶をして下さる主様に少し驚きつつも、このお方の為ならば精一杯お役に立てるように頑張ろう、という気持ちになる。
そして主様の隣に立つ、橙色の鉢巻を額に付けた刀剣男士を見上げると…

「こちらはこの本丸の初期刀ですよ。」

「…山姥切国広だ。分からないことがあればなんでも聞くといい………な、なんだ?!どうした?!」

『や、山姥様を……斬ってしまわれたお方なのですか…?』

あまりの衝撃にふるふると体が震えてしまって、目の前が何かで滲んで全く見えなくなってくる。

「ま、まぁ…!!日和姫、大丈夫ですか?違いますよ!ああ…泣かないで…。この国広は、そのですね……貴女に親切にしてくださった山姥様を斬った訳では無いのですよ」

「!!!! そ、そうだ……俺が斬ったとされているのは……っ…別のとても悪い山姥だ…!」

『別の…とても悪い………、そ、そうでしたか…。取り乱してしまい申し訳ありませんでした…』


主様に柔らかい布で顔の周りを拭いてもらい、優しく抱きしめられた私は、勘違いをしてしまったことに気がついて次第に恥ずかしくなってきてしまいました。
泣き止んだ私を見て、主様と山姥切国広さんが安堵のため息をついた。

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