• テキストサイズ

花姫と恋【刀剣乱舞】

第2章 花姫と恋



『わ、私も、主様に…あいたいです……でも……あんな私を知ったら…嫌われてしまう…皆さんにも…』

「主はあんたを嫌ってなどいない。勿論俺たちもだ。それにあれは…あの本丸の刀剣女士はあんたじゃない」

『で、でも……いつの日か、私もあんな風になってしまうのかも……』


私の泣き言を聞いて国広さんは体を少し離し、真剣な眼差しで私を見つめた。

「馬鹿を言うな。あんたはあんな風にはならない。あんたも感じるだろう、主の心地よい霊力とこの本丸を包む神聖な空気を。あの本丸は主が政府に報告をして、本日監査が入った。じきに摘発されるだろう」


真剣な眼差しの国広さんに涙を拭われながら、何とか聞いた話を受け入れた。
あの本丸はブラック本丸といって、刀剣たちに酷く言葉にするのもおぞましい無理をさせていたのだとか。
審神者の霊力が邪な気から穢れを纏い、それがあの本丸の刀剣たちに悪影響を与えたのだそうだ。


「主はあんたを大切にしている。だから主を信じてやってほしい。会えばわかるはずだ」

国広さんの言葉になんとか気持ちを整理し小さく頷くと、たいそう安堵した様子の彼にまた抱き寄せられ、自然と国広さんの膝の上へ抱き上げられる形となった。


「…まだあんたの発情期のことはあるが……心配しなくていい。そのときは俺たちが……俺が鎮めてやる」

『!?』


唐突に耳元で囁かれて心臓が早鐘を打つ。
今の状態の意味が理解できずに縋るように彼を見上げると、額に優しく口づけを受けた。


/ 36ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp