第2章 花姫と恋
「さぁ、気持ちを切り替えて出陣ですよ。ご武運を」
主様の鼓舞激励に皆で返事をしました。
相手方は部隊長へし切長谷部、燭台切光忠、物吉貞宗、日本号、今剣、石切丸の6振りです。
三日月「乱、偵察を頼む」
乱「任せて!えーっと………敵陣、横隊の陣!」
三日月「あいわかった。皆の者、鶴翼の陣にて押して参ろうぞ!」
三日月さんの指示で鶴翼陣を作ると、機動が早い乱さんが1番に切り込んでいく。
私もそれに続いて走り出しました。
《い、いいですか、日和姫さん。敵部隊に槍がいる時は、槍から、です!》
五虎退さんに付いて、何度も彼や刀剣男士達の戦い方を学んでまいりました。
今日は主様にその成果を直接見て頂く絶好の機会なのです!
一目散に相手側の日本号さんに向かって走り出し、本体を構えました。
私にも、やれるはずです!
日本号さんが私に勘づいて槍を構え、突き出してきた瞬間を狙い、上体を逸らして体を横に回転させつつ長い柄の上を飛び越えて懐に入り斬り込みます。
『ここです!』
しかしまだまだ練度の足りない私の一撃では、日本号さんの刀装を少し破壊することしか出来ず、瞬時に飛び退いて距離を保ちます。
「日和姫!」
国広さんが咄嗟に目配せしたのを確認し、本体を構え直します。
「『二刀開眼 !!!!』」
国広さんと初めて繰り出した二刀開眼で、見事相手側の日本号さんを撤退に追い込みました!
部隊の戦績は勝利A。刀装が破壊されたくらいで傷もなく、見事に勝利を納めました!
乱「日和姫さんすごい!あの槍の上を避ける技、五虎退がよくやるやつだよね?!」
『は、はいっ、緊張しましたが五虎退さんの真似をしてみました!』
堀川「兄弟との二刀開眼も凄かったですよ!」
蛍丸「頼もしい新刃だね」
国広「少し危なげだったがな…」
三日月「はっはっは。成長がさらに楽しみだなぁ」