第2章 花姫と恋
今日は初めての演練に向かう日なので、確りと戦闘服を着て鏡の前で何度もチェックをし、着崩れが無いかを確かめます。
最後にレースのヴェールを取り付けて…
うん、大丈夫そうです。
「日和姫さん、お、おはようございます。準備は出来ましたか…?」
お迎えに来て下さった五虎退さんが部屋の襖の前で声をかけてくださいました。
『あ、はい!準備出来ました!』
襖を開き内番着姿の五虎退さんと目が合うと、おはようございます!と挨拶をかわします。五虎退さん、今日もお可愛らしい笑顔です。
「えへへ。虎くんもおはよう…あれ…?んん…?」
私のお供をして下さっていた虎さんを抱き上げると、何故か五虎退さんが少し困惑したような声を漏らしながら首を傾けました。
『五虎退さん…?どうしましたか…?』
「あっ……いえ…気のせいかな…だ、大丈夫です!僕、今日は厨当番なので、朝餉を大広間に運ぶのを手伝って頂けますか?」
厨に向かい、朝餉ののった盆を慎重に何度も運んでいると、徐々に刀剣男士達が集まってきました。
堀川「兄弟!昨晩はどこにいってたの?心配したんだよ」
和泉守「なんだァ?山姥切国広は朝帰りか?」
大和守「えっ?山姥切国広も遂に花街デビューしたとか?」
加州「っていうか、極になって布が取れたはずなのになんでまた被ってんの?」
国広「いや、これは…」