第2章 花姫と恋
国広さんと五虎退さんと乱さんに本丸中を一通り案内してもらい、大広間へと来ると大広間では刀剣男士たちが一堂に会していた。
夕餉の時間が始まるようでとても賑やかだし、何より本丸中の刀剣男士が集まっているので、圧がすごい。
国広さんに手を引かれるままに大広間へ入ると、上座にいる主様の姿を見つけてホッと息を小さく吐いた。
「主、日和姫に一通り案内は完了した」
「ありがとう、国広」
「姫、またな」
去り際に頭を軽く撫でられて、慌てて『ありがとうございました!』と御礼を伝える。
「国広もあんな表情をするようになったのねぇ……今から、貴女をみんなに紹介しようと思うのよ。いいかしら?」
主様にそう聞かれて、コクコクと頷く。
主様の優しい手が私の背中に添えられた。
「──注目。皆さん、本日の任務もご苦労様でした。ありがとう。
さて、お気づきかとは思いますが、本日新しく我が本丸に刀剣女士が顕現しました。さ、日和姫、ご挨拶をお願いね」
『…は、初めまして。日和姫と申します。脇差で、花世の姫様の守り刀でした。
どうぞよろしくお願いします』
「可愛らしいでしょう?ふふ。姫の部屋はまだ考慮中なので、慣れるまで私と同室です。
また、暫くの間五虎退をお世話役としておきます。皆さんで支えてあげて下さいね」
刀剣男士達の野太い返事が大広間中に響いたことに驚いて一瞬体が跳ねたけど、主様が背中をそっと撫でてくれて直ぐに落ち着きました。