第5章 VS白鳥沢
歩『あはは!この絵面おもろすぎるんで、スクショしていいですか?』
繋がった瞬間、全員が一気に話し出す
思ってた通りのカオス
左下に表示される歩ちゃんが、屈託ない笑顔で笑う
久しぶりに顔を見てドキッとする
黒『歩ちゃんさー、俺たち一気に済ませればいい的な感じにしてない?』
歩『だって、2人ともすぐオールさそうとするじゃないですか!私試合で疲れてんのに、こっから二徹とかマジ無理です』
木『歩別に試合出てないだろ!オールしようぜ』
歩『いやいや、私やって階段から転げ落ちそうになるわ、手から流血するわ満身創痍ですよ』
そう言って歩ちゃんは、両手の掌を画面に向ける
掌には沢山の絆創膏
「転んだの?」
歩『いえ、応援に力入って握りしめすぎて』
黒「アハハ!どんだけよ!」
歩『いやもうほんま凄かったんですって!ツッキー黒尾さんみたいでしたもん』
黒『それは聞き捨てなんねぇな、ツッキーみたいなノブカツ君と一緒にしないでくんない?』
歩『えー!ノブカツ君て何(笑)黒尾さん、財を遺すは下の下、名を遺すは中の中、人を遺すは上の上ですよ!』
人が生きていく中で最も大切なのは金や名声よりも、人材を育てることである…というような意味だろう
こういう博識な面を急に出してくるからドキリとする
木『歩何言ってんだ!』
「木兎さんには明日、俺から説明します」
歩『お願いします』
黒『で、どういう意味?』
歩『黒尾さん自身が活躍するより、育てたツッキーが活躍する方が素晴らしいと思いません?師匠冥利につきるじゃないですか』
歩ちゃんは目を輝かせながら力説する
黒『やーだね!俺はツッキーより俺が活躍したい!』
歩『またそんなこと言うて!もし、黒尾さんが育てた弟子の誰かが世界を代表するようなプレーヤーになって、僕の師匠は黒尾さんです!って言うたらめっちゃカッコイイと思いません?』
黒『それは…思う』
歩『うまい選手が新しい選手を教えて育てる、そんでまた次に…そうやってどんどん日本のバレーボールが盛り上がっていく、そんな風になったらいいですね』