第4章 代表決定戦
ー月島side
フルセットを制した僕たちは、伊達工か青城
このゲームを制した方ともう一試合か…
1日2試合とかほんと勘弁して欲しい
「次勝った方とですね」
歩が縁下さんと一緒に階段を上がってきて、コートを見ながら言う
最近歩とゆっくり話す時間がなかった
帰りも兄ちゃんのチームに練習に行ってたから一緒に帰ることも少なかったし…
しかもこの前学校でクラスメイトから妙な話を聞かされた
「月島、お前橘さん、他校の男に寝取られたのかよ」
「は?」
「この前すげぇ騒ぎになってたぞ、他校のすげぇイケメンが校門まで橘さん迎えにきてたって」
他校のすげぇイケメン?
誰それ?
黒尾さんや木兎さんも歩にチョッカイ出してたけど、宮城にいるわけないし…
そもそもあの人達ってすげぇイケメン?
その後、日向からその時の話を聞いた
相手は青城の及川さんだって
なんで及川さん?…
「歩ちょっといい?」
「あ、うん」
歩の奥に立つ、縁下さんと目が合う
いつも優しい縁下さんが僕を睨みつけたように見えてハッとする
見間違い?…それともまさか縁下さんも…
みんなと距離を空けて2人で座りながら青城と伊達工の試合を見る
「日向に聞いたんだけど、ウチの学校まで及川さんが歩を迎えにきたって…本当なの?」
「ああ…うん」
「大体どこで及川さんと会ったわけ?」
「…1ヶ月半くらい前に影山くんと青城に偵察にいったことがあって」
「影山と?」
「あ、うん。1人で変な変装して行こうとしたから、大地さんが一緒に付いていけって」
「そう…」
「で、そこで偵察してて見つかった」
「はぁ…バカなの?それでまた軽々しく連絡先とか教えたわけ?」
「な、バカって!それに連絡先なんか教えてへんわ」
「え、そうなの?じゃあなに、及川さんは連絡先も知らないのに、ウチまでわざわざ歩に会いに来たわけ?」
「そう…やな」
「何のために?」
「そんなん私が知るわけないやん」
「はぁ…僕は…」
「なに?」
「僕は歩に、まだ返事しなくていいとは言ったけど、他の男とその…出かけたりされるのは嫌だ」
「ツッキー…」