第1章 出会い
ー影山Side
最近マネージャーが2人増えた
2人とも特進クラスで
谷地さんは小さくて小動物っぽい
橘さんはスラっとしてて、関西弁
バレーのことしか考えられないから彼女が欲しいとは思わない
でも俺だって男だから、いいなって思うことはある
俺は女心とか分からないから駆け引きされたり
遠回しなことをされるのは好きじゃない
橘さんはいつでもストレートに本当のことを言ってくれる
多分いいなと思うのはこういう人
字もキレイで勉強教えるのも上手
たまにめちゃくちゃディスられるけど…
で、よく見たら美人だなとか思ったりして
だめだ だめだ
好きとか 付き合うとか 彼女とか
今はそれよりも大切なことがある
バレー
それと期末テスト
ーで、あんなに勉強見てもらったにも関わらず
補習
谷地さんにも橘さんにも申しわけがない
「橘さん、ごめん」
絶対ディスられる…
「おしかったね、でも…漢字満点やったやん!」
「それは橘さんがノート貸してくれたから、ちゃんとそこだけは覚えようって思って」
「まぁとにかく、補習までもっかいみんなで勉強して、絶対みんなで一緒に合宿いこ?あ、ツッキー!」
橘さんと月島は仲がいいのか
ツッキーって呼んでるし
進学クラスの中では夫婦みたいって噂もあるらしい
なんか…
ムカツク
「なに?」
月島が立ち止まる
「影山くん赤点やったから、補習やねんて」
「大声」
「あ、ごめん。部活終わりにみんなで勉強会しよ!翔陽もらしいから、ツッキーも教えてあげ…
「やだ」
「ぁあ?!こっちこそお前なんかに
「こらこら、すぐ喧嘩する!もー、ツッキー意地悪しません!みんなで一緒に合宿行きたいし!で、影山くんも赤点の分際で食ってかかりません!」
「分際…」
「そやで!やっちゃんなんか前日に家で勉強会までしたのに、2人とも赤点って泣きながら怒ってたんやから」
何も言えない
バレーさえ出来れば勉強なんてどうでもいいって思ってたけど、それで人に迷惑かけるのはダメだ
真剣に頑張ろう
月島をチラッと見る
見下されてる
お前は彼女にふさわしくない
そう言われてる気がした