第4章 代表決定戦
結果、烏野がそのセットを取ったけど…
「やーーーまーーーぐーーーちーーー!」
コーチが掴みかかる勢いで立ち上がり、山口くんの方に向かう
間に縁下さんが入る
ここからではよく聞こえへんけど多分
「自分が一番よく分かってますから」
的なことを言ってる気がする
縁下さんって弱さを知ってる感じがあるよな
私はどっちか言うと、ネガティブな人の気持ちはよく分からんから、他人の弱さに寄り添える優しさや強さはどこから来てるんか知りたいと思う
いつか聞いてみよう
2セット目
大地さんやから上がってたボールが上がらなくなり
ボールが上がらへんから点が取れなくなり
セットを奪われることになった
キリキリと胃が痛む
この後もう1試合あんのにフルセットか…
第3セット
応援団はみんな手すりから身を乗り出して行末を見守る
一進一退の攻防戦
やっぱ向こうの1番めっちゃうまい
翔陽…負けんな
あ、またブロックアウトかと思われたボール
翔陽がベンチすれすれでフライングレシーブ
東京合宿でペナルティ、フライング一周しまくった成果が!
それでも向こうの攻撃の手は緩まらない
またブロックアウト
ボールを追って縁下さんが走る…
届かず倒れ込む
「歩、力に一髪、喝いれてやんなよ」
冴子さんに肩をポンと叩かれる
スゥゥゥハァァァー
「縁下さぁぁぁぁぁん!!!!いったれぇぇぇぇ!」
「いくね〜歩」
コート内のメンバーがギョッとして振り向く
縁下さんが起き上がる
…そんで力強く頷いてくれた
その直後縁下さんはメンバーを集め何か指示したように見えた
でもまだ次もブロックアウト…
と、そこに縁下さんが走りこんでレシーブした
「あがったぁぁぁ!!」
そこから得点につながる
「っっしゃーー!」
今のプレーでチームが一つにまとまった気がする
翔陽のミスプレーにも縁下さんが
「日向〜バタバタしない!」
落ち着いて声かけしてくれる
いよいよセットポイント
ブロックアウトを狙われたスパイクを縁下さんが拾う
翔陽が走り出す
ドンピシャ!!
最後は新速攻が突き刺さり接戦を制した