第4章 代表決定戦
ー国見side
「あれは…及川さん振り回されてるんだろうな」
矢巾さんが俺に向かって言う
「及川さんと橘さんが一緒にいる所、見たんですか?」
「あれれ?国見まで気になっちゃう感じ?」
「いや…別に」
「えー怪しいな?てか橘さんっていうのね、あの子」
矢巾さんまで?
まじチャラい
ほんと勘弁して
てか及川さんいつの間に橘さんと会ってたんだろ
「矢巾さん…」
「なに?」
「及川さんはあの子のこと本気なんですか?」
「…多分ね。チャラチャラしてたら、本気になった時に信用されなくなるから程々にしなよって俺に言ったぐらいだからね」
まじか…
本気モードの及川さんと戦うとかマジ勘弁
てか今までどおりその辺のキャーキャー言う女の子と
付き合ってればいいのに…
「何貰ったんだよ〜」
金田一が紙袋の中を覗き込む
「べ、別に貸したタオル返してもらっただけだし」
「へー」
「なんだよその顔」
「いや、国見にも春到来かなって」
「そんなんじゃないし」
そう言いつつ、今日ベンチに持って行くのは橘さんから貰ったタオルにしようと心に決めていた