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FLYHIGH(ハイキュー)

第15章 BOOST


ー数日後

今日は蛍の誕生日

と言っても、金曜日の平日やから部活終わりに蛍の家で少しだけお祝いすることにした

「蛍の家行くのめっちゃ緊張するわ〜」

「どうして?初めてじゃないのに」

「ウチの家みたいにガチャガチャしてないし?」

「まぁ確かに…兄ちゃんも家出てるから基本誰もあんま喋んないね」

「そやろ?私が1人でベラベラ喋るのが目に見えてる〜」

「そんなのいつものことじゃん」

「もぉっ!」

2人で戯れあいながら歩くと、あっという間に蛍の家についた

「お邪魔します」

「ただいま」

蛍のおっきい靴の隣に自分の靴を揃えて、玄関に上がると

「おかえり」

と言う蛍のお母さんの声が聞こえた


「こんにちは」

「いらっしゃい歩ちゃん」



年頃の男子はそんなものなのか、蛍はスタスタと廊下を進み、自室のある2階に向かう
お母さんにペコリと一礼し、蛍の後ろに続こうとすると

「歩ちゃん」

と呼び止められ、振り返る

お母さんがリビングから手招きしていて、そちらに行くと

「それ、蛍のアルバム」

と私に耳打ちして、机の上にある数冊のアルバムを指差す


アルバム?!

それはつまり…蛍の…幼少期…の写真?!

「見たいです!ちょっと待ってください!」

私は廊下に顔を出し、二階に向かって

「蛍〜!すぐ行くからちょっと待ってて!!」

と叫ぶ



返事も聞かずリビングに戻ると、お母さんに促されダイニングの椅子に腰掛ける

「えー!どれが初めですか?!」

と訊ねると、お母さんは赤ちゃんの絵が大きく描いてある表紙のアルバムを指差す

「これこれ!」

「わーい、見せてもらいますね」

そう言いながら開いた1ページ目に産まれたての…まだ蛍かどうか判別の出来ない新生児の写真が貼られていた

「これ…蛍?」

「そう」

お母さんはその写真を見て、愛しげに目を細める

次のページの写真の中では若いお母さんが新生児の蛍を抱き、今と同じように愛しげに目を細めている

「お母さん、若い」

「私はいいのよ、しかも産後のやばい写真」

「全然やばくないですよ!蛍が色白なのはお母さんに似たからなんですね!」

そう言うとお母さんは照れくさそうに笑った


次のページを捲ると…
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