• テキストサイズ

FLYHIGH(ハイキュー)

第15章 BOOST


体育祭が終わってしばらくして、歩と日向が一緒に坂ノ下商店で烏養コーチに本格的に自分達の進路を伝えたことで、もしかして…と頭のどこかで思っていた日向のビーチバレー転向が、いよいよ現実味を帯びてきた



…ある日の部活終わり、たまたま日向と2人になったタイミングで珍しく僕から口を開いた

「君、ビーチって本気?」

特に隠すつもりもないのだろう、日向は

「冗談で行きませんて」

と答える

「またバカが暴走したのかと思って」

「お前も影山も暴言挟まないと死ぬ病なの???」

「一緒にすんなよ」




「おれは一人じゃ勝てない」



「でも強い場所には強いセッターが居るだろ
おれは強いセッターに跳ばしてもらうために、強い場所まで行けるようになるんだ」

そう語る日向の目はここではないどこか遠く、そう未来を見ていることに気づかされ、ハッとする


ポタッ…

また黒いシミが広がる



ああ、そうかこれは…焦りだ

そうだ、いつだって僕はコイツを見ていると

なんかやんなきゃいけない気持ちになる

日向にしろ歩にしろ、目指すべき目標や取るべき手段が明確になって、ソッチに向かって盲目的に突き進むのを間近で見ていると、僕はどうなりたいんだろうと、ふと考えてしまう

らしくもない…



今日、歩は谷地さんと先に帰ったから、1人帰路に着く

9月も後半、ともなると夜の風が心地いい

ふと、月を見上げて立ち止まる

月は何故輝くのか

月はそれ自身が輝いているのではなく、太陽からの光を反射して輝く

自分自身で光り輝くことのできない月は…

太陽のことをどう思っているのだろう



/ 554ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp