第14章 NEXT LEVEL
「まだ2年になってすぐの時に、日向が教室で何か紙に書いてたのね。で、何かなって思って覗いたんだけど、よく分かんない言葉がいっぱい書いてあって」
「そう?翔陽より影山くんの方が字汚いと思うけど」
「いや、そうでなくて!字が読めなくてよく分かんないとかじゃなくてね…練習!!とかしゅ業!!とか六人!二人!とか」
「…?練習…修行…バレーのことかな?」
「そうだと思う、なにをしたらいいんだろうって考えてたって言ってたから…で、そのあとビーチに行きたいって突然言い出したんだ」
「ビーチ?泳ぎに?」
「多分。でもまだ5月だったからね、海開きまだなんじゃない?って言ったんだ」
「そうやな」
「もう夏だし、夏休みの間に一度みんなで海に行くってどうかな?」
「いいやんいいやん、計画しよう」
と私たちはその時、全然的はずれな計画をしていたわけで…翔陽の壮大な計画について知るのはもう少し先の話だった
「ビーチって多分そのビーチじゃないと思うんだけど」
みんなで海に行こうと誘った私に対して、蛍は冷静に言い放つ
「え、そうなん?でも他にビーチってどこのこと?沖縄とか?」
「いや…場所の問題じゃなくて」
「?」
「多分…ビーチバレーのことなんじゃない?」
「ああ、ビーチバレーしたいってこと?そっかそっか、ほなやろ」
「…いやだから、今やりたいとかそーゆーんじゃなくて…」
「どーゆーこと?」
「ちゃんと競技としてビーチバレーをやってみたいってことなんじゃない?経験したいってだけなのか…転向まで考えてんのかは分かんないけど」
「て、転向?!?!それはないやろ!!翔陽はバレーボールで何個も金メダル取るってゆーたんやで?!オリンピック出るって…あ、ビーチバレーもオリンピックあったっけ?」
「あるけど」
「えー…でも翔陽がビーチバレーに転向って…なぁ蛍、聞いてきてよ」
「何でだよ、自分で聞けばいいじゃん」
「いや、そこは男同士のなんか…あるやん!」