第14章 NEXT LEVEL
『自分は月島と付き合いながら、自分に好意を寄せる人には強く断れない、それってその人たちの気持ち、満更でもないって思ってるからでしょ』
『歩を欲しいって思う人間からすれば、君のそーゆーとこ…自分に好意を持つ人間を無碍に出来ない性格ってのは、願ったり叶ったりだからね』
国見ちゃんに言われた言葉を掻き消すように、フルフルと首を振って蛍の腕をギュッと掴む
「…歩、あの人に告白とかされなかった?」
「…あの人って…二口さん?」
「うん」
「告白…された」
「え、言いなよ先に」
「いやなんか告白はされたんやけど、同時に諦めるって言われたし…」
「なにそれ」
「さぁ…あと…」
「あと、何?」
「蛍に伝えといてって言われたんやけど」
「僕に?何を?」
「お前は歩を死んでも守れって…いや、ツッコんだんやで?21世紀に死んでも守るようなことある?!って」
「意味わかんない」
「やんな」
「じゃなくて…そんなの別にわざわざ言われなくても、そのつもりだし」
蛍は照れながらボソボソと言う
それはつまり…そんなこと二口さんに言われんくても、私のこと死んでも守るって思ってくれてるってこと?
蛍がそんな恥ずかしいこと思ってくれてたなんて、意外やけど嬉しくて顔がニヤける
「ふふ」
「なに」
「嬉しいなぁって…あ、でも私も死んでも蛍のこと守るから」
「それじゃ意味ないじゃん、しかも何から守ってくれんの」
蛍がバカにしたように鼻で嗤う、そしてそのあと2人で顔を見合わせて笑った
そんな感じで毎日蛍に送り迎えをしてもらって、あの時の出来事も忘れかけていた、ある日のこと
もうすぐ夏休み、授業時間が短縮されて部活の時間が長くなっていた
その日もHRが終わって、さぁこれからやっちゃんとお昼にしようかって話をしていた時だった
ドドドドドド
グラウンドに轟音が響いて、私は教室の窓を開けて、辺りを見回した