第1章 出会い
「え、あ、うん。あのその、やりたいとは思うんだけどね、私なんかが迷惑じゃないかなとか思って、ちょっとまだ悩んでるんだ」
「そっか。でも多分迷惑に思う人なんかいーひんと思うし、最後は谷地さんがやりたいかやりたくないかやろ?もし、やりたいって思う気持ちがあるんやったら一緒にやろう。私も転校してきたばっかりやから、期末終わってからって思ってるし。」
「そうなんだ。…そうだよね、自分の気持ち…ありがとう橘さん。さぁ、日向残りの問題やってしまお!そうだ、橘さん良かったら影山くんの方見てくれない?私現国より英語の方が得意だから」
「了解」
影山くんの前に座る
制服着てる影山くん
シャーペン持ってる手キレイ
でも
「字、きたな」
「ぁあ?!」
「ごめんごめん、脳みそまろびでたわ」
「まろ…」
「あ、もういいです。でもほんま字は丁寧に書いた方がいいで。特に漢字は汚かったら間違って見える場合あるし、それで点数落としたら勿体無いやろ?」
「はい」
「素直でよろしい。漢字は暗記で取れるから習った範囲しっかり復習しよ、多分影山くんのノート何書いてあるか分からんと思うから、私の貸すし」
「心なしか傷つけられてる気がする」
「帰りにノート持って行くわ、何組?」
「いや、俺が借りるから俺が取りに行く」
「そう?私4組やし、ほなあとでね」
ー放課後
「橘さん」
「あ、影山くんわざわざごめん。はい」
ノートを手渡すと影山くんはその場でパラパラとノートを捲る
「字、うめぇ。てか見やすい。同じ授業習ってると思えん」
素直に褒められると嬉しい
「王様、進学クラスに何のよう?」
「ああ?!ノート借りにきただけだボゲェ」
「見てわかるの?」
「ああ?!オマエ…
「はいストップ!もうツッキー絡まへんの!ほな影山くん、何か分からんとこあったらいつでも聞いて」
影山くんは教室を後にする
「ずいぶん王様に優しいね」
「王様てなに?」
「コート上の王様。傍若無人で自分勝手な自己中プレーからついたあだ名」
自分勝手な自己中プレー?
「昨日私が見た影山くんは全然そんな風に見えんかった、むしろみんなが打ちやすいように、正確なトスあげてるなって思った」
「ふーん、随分王様贔屓だね…好きなの?」