第14章 NEXT LEVEL
「しょーもない奴とは心外だなー、それに試合が何とかって言ってたけど彼氏なにかスポーツでもしてんの?」
「あなたたちに関係ありません」
歩は俺を庇うように、男たちの前に立つ
「ふーん、じゃあこうしようぜ。歩ちゃんが黙って俺らについてきてくれたら、彼氏のことは見逃してやるよ」
さっき歩の肩に腕を回していた男が舌舐めずりしながら言う
何言ってんだ
こんな奴らについてったらマジで何されるか分かったもんじゃねぇ
助けねぇと…こんな奴らさっさとボコってやればいい
それか俺が歩の盾になって殴られるか
そう思うのに体が動かない
俺のせいで全国大会を棒に振っちまったら…って考えると恐ろしくて動けない
「いいですよ、その代わり彼には手を出さないでください」
「ふーん、中々物分かりのいい彼女だね」
「ッッ!やめろ!歩!」
「その前に…私関西出身で土地勘ないんですけど、ここは繁華街の一本中に入った夜の店が並んでる通りで…私は今からあの外壁が黒くてゴールドの文字でホテル名が書かれている所に連れて行かれるんですか?」
歩が急につらつらと話し始めると、男たちは歩を囲んで
「そーだよ、さっきから思ってたけどやっぱ関西の子なんだね?方言可愛いね」
「あのホテルに彼氏も一緒に来てもらう?俺らが君と愉しんでるとこ見てもらった方がいいんじゃない」
「てか美人すぎじゃない?俺らが愉しんだ後、先輩んとこ連れてく?」
などと口々に言う
クソが
絶対そんなことさせない
俺が一緒に付いていけば、途中で逃げ出せる勝機はあるかもしれない
何が何でもお前を1人にはしない
「歩!!」