第14章 NEXT LEVEL
若干戸惑い気味の歩の肩を抱いて、空いているプリクラの機械の中に入る
「え、ほんまに撮るんですか?」
「それしかねーだろ、何?それとも、こん中でなんか他のことする?」
「なっ!し、しませんっ」
こうやってすぐ照れるとことか、たまんなく可愛くて…ついつい苛めたくなるんだよなぁ
なんだかんだ言いながら撮影が始まるとバッチリ決めてくるあたり、さすが女子高生…慣れてやがる
で、俺の方はってゆーと撮り慣れてない上に、画面上に歩と自分の姿が写ってんのが小っ恥ずかしくて、微妙な表情になる
「ははっ」
急に歩が笑い出す
「…んだよ」
「強引にプリ機の中に連れ込んだくせに、表情硬いなと思って」
「るせぇわ」
余裕かましてやがる歩に腹が立って、思いっきり肩を抱いて体を密着させてやった
そしてその瞬間にシャッターが切られる
カシャッ
「も、もうっ!」
「お前こそなんだ、女みてぇな顔しやがって」
「女みてぇって女やし!」
「普通の女はマリカー対決しようとか言わねぇんだよ」
そう言ってまた髪をクシャクシャとする
「せっかく直したのに」
「いいじゃん、もう撮り終わったし」
俺はちゃっかり最後の密着した写真を選んで、機械の中から出た
しばらくすると歩が出来上がったプリントシールを持って戻ってきた
「こんな誤解招くもの持ってられないんで、二口さんが持っててください」
確かに…差し出されたプリントシールに目をやると、どう見ても恋人同士にしか見えないし、これをメガネが見た日にゃ卒倒するだろう
「さ!マリカー行きましょう!」
歩はわざとテンション高めに言いながら、俺の腕を引っ張っていく
4台並べられたシートの端に歩が腰をかける
「お前、なに使うの?」
「ヨッシー」
「ガチじゃん、ピーチ姫じゃねぇのかよ」
「二口さんは?」
「ドンキーコング」
「ぽい〜重量級使いそ〜」
小学生みたいにはしゃぐ歩