第14章 NEXT LEVEL
市内でも有名なでかいゲーセンに入ると、同じようにテスト期間だからか、あちこちに制服姿の高校生が目に入る
女子ばっかのグループや、男女数人のグループ、そしてカップル…
大体がプリクラの機械の周辺にたむろしている
そーいや去年、バレー部のメンバーで撮ったっけな
3年生が引退するってんで、飯行ったあと悪ノリで…あの狭い空間に男子高校生ばっかりがひしめき合ってんの、マジ地獄だった
「さん…二口さんっ?どうしたんですか?プリ機眺めて」
「いや…去年3年生が引退する前に、野郎ばっかで撮ったなって」
「え、なにそれ。見たいです」
「やだよ」
「えー、嫌やー見たいー」
「むさいばっかで、そんないいもんじゃないぞ」
言いながらスマホを取り出し、去年の今頃の画像を検索してると歩がぐいぐい近寄ってきて画面を覗き込んでくる
やめろ、やめろ、近ぇんだよ
「ちょ、見んなよ」
「何でですか〜なんか見られて困るもんでもあるんですか?」
ニヤニヤする歩
「あったぜ、ほらよ」
俺は画面中に伊達工のバレー部がひしめき合ってる画像を表示させて、歩に手渡す
「空いたスペースに、てっぺき!ってラクガキしてあるのジワりますね…あ、青根さんいる(笑)」
歩は腹を抱えて笑っている
「あはは、しかも全員若干盛られてんのヤバい」
「もーいいだろ」
「あーおもしろ、私らも撮りますか?」
笑いすぎて目に涙を溜めながら歩が言う
どーせ俺が嫌がると思って言ってんだろ
「いいぜ」
「え?」
「何だよお前が撮るっつったんだろ?付き合ってやるって言ってんの」