第14章 NEXT LEVEL
ー二口side
あのドS娘があそこまで鈍感だとは思わなかった
今日の集合時間や待ち合わせ場所の最終確認のために、昨日連絡したけれど
私たちがデートして誰が得するんですか?
なんて寝言、まだほざいてやがった
誰が得って俺に決まってんだろーが
俺だって、好きでもない女デートに誘うほど暇じゃないわ
それに歩の彼氏?あのメガネも腹立つ
「デート?行けばいいじゃないですか、行ったところで歩があなたを好きになることなんかないんで」
って抜かしやがった
更に去り際に
「自分のものにならないからって、無理矢理…とか考えないでくださいね」
だと?!
俺だってそんぐらい弁えてるわ!
嫌がるアイツにそんなことしねーし!
って超イライラしながらも、待ち合わせ時間より若干早く着いてしまって、いや楽しみにしてんのかよ!って自分が情けなくなる
そんでアイツは待ち合わせ場所に時間ピッタシにやってきた
テスト期間で部活がないから、制服姿で…
夏服可愛いかよチクショーが
「お待たせしました〜」
昨日まで誰が得するとか言ってた割に、テンション高くやってきた
歩にホッとする
「お腹空きましたね!何食べますか?」
いやいや…コーヒー奢ってやったことくらいはあったけど、慣れすぎじゃね
これじゃあまるで…普通のカップルのデートみたいじゃんか
「おお、最近のJKは何食べるんだよ?」
「最近て(笑)1個しか変わらんのに…いつも二口さんが女の子連れてくお店でいいですよ」
なんて軽口叩いてくる
「は?そんなんないし」
「えー?!私なんかをデートに誘うくらいなんやから、もう毎週末女の子とっかえひっかえなんかと思ってたのに」
「んなわけねーだろ、バーカ」
そう言って歩の細く柔らかい髪をワシャワシャとする
「ちょ、やめてくださいって!もー!すぐこうやってする!何なん?!二口さん私を妹かなんかと勘違いしてますよね?!」
してねーし…てかそう思えたら苦労しねーのに
「てか、制服なんですね」
「どーゆー意味だよ」
「作業着かと」
「あ、お前高校生が作業着きて電車乗ってんの見たことあんのかよ?」
そう言うと歩はゲラゲラと笑う
「いや、ないですけど…二口さん作業着似合いそうですね?」