• テキストサイズ

FLYHIGH(ハイキュー)

第14章 NEXT LEVEL


「ごめんっ…みんな」

試合が終わり、翔陽が項垂れながら言う

結局フルセットからのデュースまでもつれた試合は、伊達工の勝利で終わった

「最後っ、あれ…旭さんだったら…空中で時間差作れて…ブロック落ちるまでいられたのに」

そう言って悔しそうな顔をする翔陽に、影山くんが

「調子乗んな、お前がそんなすぐ東峰さんみたいになれるなんて誰も期待してねぇ。勝手に調子乗って勝手に謝ってんじゃねぇぞ」

と罵声を浴びせる

一年間変人コンビと一緒にいた私が、今の言葉を翻訳すると

お前一人のせいじゃないから、謝らなくていい

ということで、多分影山くんなりに励ましているんだろう


「そうそう、チームが自分のせいで負けたなんて思い上がりもいいとこなんだけど」

蛍も辛辣に言うけれども、内容としては多分影山くんと同じようなことが言いたいんだろう

「お前ら、言い方!!」

田中さんが影山くんと蛍にツッこむ


「いい試合だった…悔しいが向こうは新体制のチームになってから日も長くて洗練されてた。しっかり反省するとこはして、ちゃんと次に繋げるぞ」

微妙な空気の選手たちにコーチが声を掛ける

「さぁ、試合の後はちゃんとした飯だ」

この1年何度も聞いたコーチの言葉が、何故か妙に胸に染みた


試合の後はちゃんとした飯

人間の体は食べたもので出来ている

だとしたら、私が卒業してもマネージャーのようにみんなを支えていく方法がある何かあるはず

将来に進むべき道がなんとなく遠くの方に見えた気がするけれど、それがまだ何かはよく分からなかった


落ち着いたら一度、烏養コーチに聞いてもらおうか

学校の先生でもないのに進路の相談なんてされても困るだろうけど



今日でIH宮城県予選の全日程が終了したこともあり、各学校忘れ物のないように点検しながら片付けを始める


と、そこに二口さんが現れた


「よう、歩」

「なんですか」

「なんだ機嫌悪ぃのか?」

「自分達が負けた相手に絡まれて、機嫌良い奴なんかいません」

「そ、約束忘れてねーだろうな?」

「なんのですか?」

「デートだよ」

「そんな約束した覚えありません」

そう言って立ち去ろうとする
/ 554ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp