第14章 NEXT LEVEL
「っちょ!私の許可なく勝手に!」
「なんだ歩、お前も明日勝つ自信ないの?それとも…俺とデートしたら好きになりそーで怖いとか?」
「なるか!」
「じゃ、決まりな。明日楽しみにしてるぜ」
そう言って伊達工のキャプテンは歩を指差すと踵を返して、去っていった
「ツッキー!明日がんばろうな〜!」
空気を読まずに黄金川がこちらに向かってブンブン手を振りながら、伊達工軍団を追いかけていった
「おお…月島、大丈夫か?」
後ろから田中さんに声をかけられる
「はい、明日絶対勝ちましょう」
「あんな奴に橘さんを渡してたまるか」
縁下さんも静かに闘志を燃やしている
絶対負けない
歩も渡さない
そうしてIH宮城県代表の座をかけて、決勝戦の火蓋は切って落とされたのだった
絶対負けない…とは言ったもののかなり厳しい戦いになるのは明白で、何故なら伊達工は既に完成しているから
去年のIH後、3年生が引退して既に今のチームが出来上がっていた
そこから約1年、同じメンバーで研鑽してきたのだ
僕たちはまだ、今のメンバーが主体のチームになってから4ヶ月しか経っていない上に、大きな公式戦はこれが初めて
アドバンテージは向こうにある
そうは言ってもこっちだって鴎台との試合を振り返ったりして、強ブロックチームの対策はしてきたはずだから
やるしかないんだ
仙台市体育館
1人ずつの名前が呼ばれ、コートの外に並ぶ
そして両チームのスタメンが向かい合う
「ねあいしゃーーーーす!」