第13章 新たな風

ー研磨side

「研磨さんちは物理的に無理でしょ」

と歩が正論を言ってくる

無理だって分かってるけど、烏野ばっかズルイじゃん

歩の作ったご飯いつでも食べれるとか…


「…ケチ」

と口を尖らせる

その様子を見ていた加藤さんが近づいてきて、おれの目の前に立つと

「孤爪さんの家には私が作りに行きます！」

と言う

「え？」

「大体孤爪さんは、食事で体作りの前にまず夜型の生活を直すトコから始めてください！もうすぐＩＨですよ？ゲームは日付変わるまでですっ！」

「…はい」

捲し立てられて、思わず返事をする


あれ、この子ってこんな感じだっけか…

もっと周りの顔色伺ってたような気がしたんだけど、何せキョーミがないから印象がなかったし


「さっ、昼からも沢山脳を使ってもらいますからね。糖分いりますか？」

と言って彼女はウィダーインゼリーを差し出す

「あ…ありがとう」

「どういたしましてっ」


そう言って彼女はニコリと笑う

今初めてちゃんと顔を見た気がする


「孤爪さん、私橘さんみたいに根性あるマネージャーになりますから」

そう言って彼女は拳をグッと握る

「根性…また根性の使い手…」

「なんですか根性の使い手って」




「いや…なんでもない

…加藤さん、おもしろいね」



おれはそう言うと、ウィダーインゼリーを片手に木陰を探して立ち上がった