• テキストサイズ

FLYHIGH(ハイキュー)

第13章 新たな風


「え、付き合ってへんよ」

「そうなんすか?だったら俺らもワンチャンあるってこ…


「ないから」

と後ろから呟くような声が聞こえて振り返ると

不機嫌そうな顔で新入生たちを見下ろす蛍の姿


「蛍…」

「練習始めるから、君たちやるんならさっさと着替えてくれば?

それから歩、ちょっときて」


「あ、うん…ってわけなんで、着替えある人は着替えてきてな」


新入生たちにそう伝えると、蛍の後ろ姿を追いかける


「蛍、待ってー」


と、突然立ち止まって振り向いた蛍にぶつかりそうになる


蛍は呆れたような表情で見下ろしながら、右手で私の口元を掴んでヒヨコのような口にさせる

「ふぁ、はにふ!」

「また出た、無自覚隙だらけ」

「ふぇ?!ひまほまへんへ…

今とか全然隙なかったやん!」

蛍の右手を振り解いて抗議する

「どこが?後輩相手にワタワタして…はっきり僕と付き合ってるって言えばいいのに」

「そんなん聞かれてないのに答えたらイタイ奴やろ!」




「ってなわけだから、橘目当てじゃなく純粋にバレーやりたい人だけ着替えてきてくれ」


私たちの痴話喧嘩を見ていた田中さんが、1年生に促して、次に戻ってきた時には1年生は経験者の3人だけとなっていた


「あれ?結局君たちだけ?」

「はい、みんな橘先輩目当てで見にきただけみたいです」

1人の男の子が答える

「私なんてそんな…目当てにして貰うような代物じゃないから!私ごときでそんなん言うてたら、こないだ卒業したマネージャーの先輩めっちゃ美人やったんやから!」

「そうなんですか?でも先輩もめちゃくちゃびじ…月島先輩怖いんでやめときますね」

「月島先輩…って名前、知ってるん?」

「あ、はい!春高の試合見てましたから!月島先輩めちゃくちゃカッコよかったです!」


「蛍〜、やってさ」

近くにいた蛍に言うと、蛍は一年生の方を一瞥して

「どうも」

とそっけなく答えた
/ 554ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp