第12章 移ろう季節
ー白布side
三学期の終業式が終わった
今日は授業もないし、部活もオフだからゆっくりするつもり
牛島さんが卒業して数週間が経った
牛島さんのためにトスを上げ続けたこの2年間、本当…あっという間だったな
俺は多分、受験があるから春高までに引退してしまうだろう
次のIHが最後の公式戦になるかもしれない
そして…高校でバレーは終わりだと思う
俺のバレー人生は…白鳥沢に来て、ここで牛島さんと共にかっこいいバレーをした思い出と共に記憶に刻まれる
部屋着に着替え、寮の食堂に向かうと沢山の生徒でごった返していた
昼食時はいつも混み合っている
席を確保するためにキョロキョロしていると、遠くから
「白布さーん!」
と声がする
見ると数人の1年生達が座っている席で、五色がこちらに向かって手を振っている
他のやつらもみんな、バレー部のメンバーだった
カレーうどんが載ったトレイを持って、五色たちに近づくと、何故かコイツらはみんな部活に行きそうな格好をしてた
「お前ら、今日練習休みだろ」
と言うと、五色が
「ウチの練習は休みですけど、12月に県内の1年集めて合宿したじゃないですか?今日アイツらがウチに来るんですよ」
確かに12月に県内の有望(?)な1年生が、ウチの高校に集められて擬似ユース合宿をしていた
その時練習試合もやったりしたから、なんとなくメンバーも浮かんでくる
それに…その時、烏野のマネージャーの橘さんも来ていた
あれ以降、たまに彼女のことを考えてしまう
次に会えるのはIHの時か、会ったとして話す時間があるのかって思っていたけれど、もしかして今日…彼女も来るんだろうか
「そう、鷲匠先生は知ってんの?」
「はい!勿論許可取ってます」
「あっそ」
「よかったら白布さんも…」
「まぁ…時間があればね」
「え?!」
自分で誘ったくせに、五色が驚く
「んだよ」
「いや、白布さん…絶対、は?何で俺が他校のガキ共の練習に付き合わなきゃいけないの?って言うと思ってたんで、意外でした」
「お前、俺を何だと思ってんの?」