第11章 終わりと始まり
「負けは今の力の認識であっても弱さの証明ではない
君たちの何もここで終わらない、これからも何だってできる」
武田先生の言葉はいつも私たちを導いてくれる
そうや、そうなんや
私はこの眩しいほどの輝く時間が終わることを恐れてた
何もなかったことになるんやないかって不安になってた
でも部活を引退しても高校を卒業しても私たちの道は続いていって、どんなことだって出来る
そしてやってきたことは私たちの血となり肉となり、未来へと繋がっていく
ここで過ごした時間は誰にも奪われはしない
「ありがとうございました!!!」
私たちは全員で礼をして、戦いの地を後にした
ー激戦を終えて、宿で一泊し宮城への帰路に着いた
烏野バレー部一行
みんな帰りのバスは爆睡してたけど、私はそれどころじゃなかった
なんせ
帰ったらツッキーにちゃんと気持ちを伝えるって決めてたから
帰ったらっていつ?
学校についた瞬間?
それとも今日帰ってから電話する?
いや、疲れてるやろうから後日改めて…
てか何て切り出したらいいんやろ
考え事をしながらボーッと窓の外の流れる景色を見ていると、あっと言う間に宮城に到着してしまった
バスから荷物を降ろして、コーチから今後の部活の日程を聞く
分かってはいたけど、3年生はもう明日から練習には来ない
まだまだ潔子さんに教えて欲しいことがあったのに…
「じゃあお前ら、しっかり飯を食って傷ついた筋繊維を修復しろ。休息も必要だからちゃんと休むように。お疲れ様」
コーチの言葉を合図に解散となった
どうしよう
どうしよう
でももう一秒も待てへん
「ツッキー!!」
気付けば私は、山口くんと並んで歩くツッキーを呼び止めてた
「話があります!!」
ツッキーは振り向くと、山口くんに
「先帰ってて」
と言って、こちらに歩いてくる