第11章 終わりと始まり
ー月島side
運命の3セット目が始まる
"習慣は第二の天性なり"
そう書かれた横断幕が翻る
鴎台は全国何本指とかいうエーススパイカーを擁しているでもないのに、淡々とただただ強い
個の怖さより訓練された組織としての圧が凄い
それでも負ける気はしないって思う
『最終セット いまだに攻撃力の落ちない烏野、それに対応し続ける鴎台 "矛と盾"が同等の強さだからこそ、しんどいんですね』
執拗に粘り強くブロックに跳ぶ
「ワンチ!」
いい加減足が重たくて言うことを聞かなくなってくる
それでも…まだ戦える
ローテでコートから出ると、烏養コーチの元に行き
「僕 まだ大丈夫なんで」
と伝えた
今日2試合やってんのは向こうも同じ
頭だってクタクタのはずなのに、しっかり2枚以上リードブロックでついてくる
組織されたリードブロック…
でも日向はそんなことお構いなしに挑み続ける
チョロチョロと目障りなチビは時に2mを凌駕する
1stテンポに紛れるハイジャンプからの急なマイナステンポ
派手に動き回られる程に囮としての効果も高くなり
鴎台の組織が分断される
13:13同点の場面でローテが回り、コート内に戻ると影山が
「おい、逃げんなよ?」
って煽ってくる
カッチーン
ハァーー
足バキバキ…
体力とか精神力とか点数のつけられないモノに勝ち負けつけるなんてバカバカしい
…
そう考えながらも
日向に負けてたまるか
という思いでコートに足を踏み出した